空白の先へ
私が何度も読み返している本を、ご紹介します。

「トランジション―人生の転機を活かすために」
著者:ウィリアム・ブリッジズ
訳者:倉光修、小林哲郎
引越、転職、結婚、離別、職場の体制変更…
これらは人生における大きな変化のひとつです。転機、ともいえるでしょう。
「トランジション」は、人生の転機を意味する言葉です。
しかし外側から見て分かる変化そのものではなく、
変化に対応するために心の内側で起こる、心理的な移行のことを指しているのだそうです。
変化することは、トランジションの始まりといえます。
ここから、これまでとは違う現実の受け止め方や、
自分を前に進める新しい発想を見出す為に模索する時間があります。
その中で新しい人生を築いていける感覚が生まれた時、
ようやくトランジションは終わりを迎えることができるといいます。
どんなトランジションも
「終わり」→「ニュートラルゾーン」→「新たな始まり」
という3つの段階を通って進むそうです。
特にニュートラルゾーンは何かを失い、空白を抱え、自分が何者であるか分からなくなる時期となります。
この時間は無意味で停滞しているように感じられますが、
次のステージで自分が何になる必要があるかを示してくれる貴重な時間です。
多くのトランジションは、決して心地のよい体験ではありません。
一見喜ばしい出来事の中にも、終わることへの悲しみが同居しているものです。
新生活が始まる喜びとかつての生活を失う悲しみ、昇進する喜びと気楽な生活への恋しさ、
前途洋々に見えるのに意味が見出せない感覚、などがこれにあたります。
このようにすべてのトランジションは、何かの終わりから始まるのです。
死と再生の物語であり、人が変化して成長する過程ともいえます。
人生の中で、諦念に直面することがあります。
夢が叶わないと自覚することは苦しいことです。
私自身それを認めることがなかなかできずにいました。
ですが、全ての経験が今の自分を作り、新しい道に繋げてくれているのだと理解した時、
私は自身の在るべき姿を見出すことができました。
現在、私自身もトランジションの最中におります。
変化をした後も、自身のトランジションにおける空白の時間はしばらく続くことでしょう。
大事なものを手放すことと、出番を自ら作ることを決断した今、
いずれこのトランジションを前向きに乗り越えられる時が来ると、信じております。
このブログを読んでいるあなたも、トランジションの最中にいるかもしれません。
一見変わらぬ生活を続けていたとしても、心の中で今までと何か違う感覚を抱えているのだとしたら、
それはトランジションを迎えている証拠です。
ぜひ、この本を手に取ってみてください。
自らが望む未来へ向かう為に、少しずつ、今を動かしましょう。
最後に質問です。
あなたの人生の舞台の袖で、出番を待っているものは何ですか?








