発表!!平成30年度税制改正

発表!!平成30年度税制改正

 

昨年末 平成30年度の税制改正大綱が発表されました。

安倍内閣は最大の課題である少子高齢化の克服に向けて『生産性革命』と『人づくり革命』を断行することとし、誰もが生きがいを感じられる『一億総活躍社会』を作り上げる必要があるため、税制面において、下記のような改正を行うこととしています。その主なものをあげると次のようになります。

 

Ⅰ.個人所得課税の見直し

『働き方改革』を後押しする観点から、特定の収入のみに適用される給与所得控除や公的年金等控除から、どのような所得にでも適用される基礎控除に比重を移していく観点から改正が行われました。

  1. 給与所得控除額を一律10万円引き下げ、さらに給与所得控除の上限額が適用される給与等の収入金額を850万円、その上限額を195万円に引き下げる。
  2. 公的年金等控除額を一律10万円引き下げ、さらに公的年金等の収入が1,000万円を超える場合の控除額については、195,5万円の上限を設ける。
  3. 基礎控除額は、従来の38万円から、10万円引き上げて、48万円とする。(ただし、合計所得金額2,400万円超から基礎控除額は、32万円、16万円と下がり、2,500万円超で適用なしとする。)

※上記の改正は、平成32年分以後の所得税及び33年度分以後の個人住民税について適用する。

 

Ⅱ.事業承継税制の拡充

中小企業の円滑な世代交代を押し進めるために、10年間の特例措置として各種要件が緩和されました。

  1. 特例後継者が、特例認定承継会社の代表権を有していた者から、贈与又は相続若しくは遺贈により、その特例認定承継会社の非上場株式を取得した場合には、その取得した全て(現行は、総議決権株式の3分の2が上限)の非上場株式に係る課税価格に対応する贈与税又は相続税の全額(現行の相続税の納税猶予の場合は80%相当額)について、その特例後継者の死亡の日等までその納税を猶予する。

※上記の改正は、平成30年1月1日から平成39年12月31日までの間に贈与等により取得する財産に係る、贈与税又は相続税について適用する。

 

Ⅲ.一般社団法人等に関する相続税・贈与税の見直し

一般社団法人を利用して、相続税、贈与税を不当に減少することとなる各種対策について規制が設けられることとなりました。

  1. 特定一般社団法人等の理事である者(相続開始前5年以内のいずれかの時において、その理事であった者を含む。)が死亡した場合には、その純資産額をその死亡の時における、同族役員の数で除して計算した金額に相当する金額を、その特定一般社団法人等が、その被相続人から遺贈により取得したものとみなして、その特定一般社団法人等に相続税を課税する。
  2. 個人から一般社団法人又は一般財団法人(公益社団法人等一定の法人を除く。)に対して財産の贈与等があった場合の贈与税の課税については、贈与税等の負担が不当に減少する結果とならないものとされる現行の要件(役員等に占める親族等の割合が1/3以下である旨の定めがあること等)のうち、いずれかを満たさない場合に贈与税等が課税されることとし、規定を明確化する。

※昭和30年4月1日以後に贈与又は遺贈により取得する財産に係る贈与税又は相続税について適用する。

 

Ⅳ.上記Ⅰ.Ⅱ.Ⅲの改正の他、次のものなどがあります。

  1. 小規模宅地等に係る相続税の課税価格の計算の特例の見直し
  2. 国際観光旅客税(仮称)・森林環境税(仮称)及び森林環境譲与税(仮称)の創設

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