出光興産合併騒動

“海賊とよばれた男”のモデルとなった出光佐三氏が興した出光興産が、今、昭和シェル石油との合併で新聞誌上を賑わせています。石油業界での生き残りを昭和シェル石油との合併に求める経営陣と合併により影響力が減少する創業家との対立が続いているためです。

かつては、サントリーと並んで、未上場の同族経営として、注目されていた企業です。それが、1990年代の過剰投資により経営危機に落ち入り、財務を立て直すため、株式上場を選択した経緯があります。

この時も創業家は、外部資本の受け入れに反対したと言われています。

今回、公募増資により持ち株比率は約20%台に下がり、合併阻止に必要な3分の1を下回り、経営陣は合併実現へ大きく前進することになりました。

同族経営が圧倒的に多い中小企業では、とかく“会社の私物化”が問題となります。

反面、百年以上続く企業の中に同族企業が多いのも事実です。

今回の出光興産の合併騒動は、あらためて“会社はだれのものか?”を考えさせられる事件になりました。

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