先月、厚生労働省から発表された2025年の最低賃金は、全国加重平均額で1,055円から1,121円へと66円上がり、過去最高の引き上げとなりました。最低賃金の最高額は、東京の1,226円で最も低い都道府県は、沖縄県等の1,023円となっています。
最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」があり、重複する場合は高い方が適用されます。
※地域別最低賃金
都道府県ごとに必ず設定されている最低賃金で、基本的には労働者の勤務地がある都道府県のものが適用されます。
※特定(産業別)最低賃金
特定の産業、業種に設定されている最低賃金で、地域別賃金よりも高い金額となっています。
地域別最低賃金と異なり、必ず設定されているものではありません。
最低賃金の引き上げは、労働者にとっては喜ばしいことですが、中小企業にとってはその経営に少なからず影響が出てくると思われます。
賃金を上げたことにより、パートなどの方が扶養を外れ、社会保険への加入が必要になったりすれば、会社の社会保険料の負担が増えるだけでなく、採用などにも影響が出てくることになります。
中小企業経営には、厳しい最低賃金のアップですが、1つの対応策として、政府の肝いり施策である「賃上げ促進税制」を活用するのもひとつの手だと思います。
※賃上げ促進税制
⑴前年より1.5%の賃上げで税額控除15%
⑵前年より2.5%の賃上げで税額控除30%
の法人税の税額控除が受けられます。
また、中小企業には5年間の繰越控除も認められるようになりました。
最低賃金の引き上げは今後、中小企業経営にとって避けて通ることが出来ない問題です。
人材の確保という点と合わせて、賃金体系の見直しが必要なのではないでしょうか?

